コンポジット化によるメリット
コンポジット化により得られる4つの利点を紹介します。
メリット 01
低音響インピーダンス化
コンポジット化によるセラミックスの体積率の変更により、
音響インピーダンス(Acoustic Impedance:AI)を下げることが可能です。
音響インピーダンスを下げることにより、水などの対象物質への音波の伝搬効率があがります。
その結果、多層整合の場合、音響整合層の層数の低減が可能です。

PZT系圧電セラミックスの体積率による
音響インピーダンスの変化
PZT系圧電セラミックス(AI 36)から
水(AI 1.5)に音波を伝搬した場合、
界面での反射が大きく、
音波の伝搬は非効率
圧電セラミックスコンポジット(AI 10)から
水(AI 1.5)に音波を伝搬した場合、
界面での反射は小さくなり、
音波の伝搬は効率化
メリット 02
送受信の感度向上
送信感度d33、受信感度g33は下記式より求められます。
コンポジット化によりPZT体積割合が低下するとg33が上昇し、感度が向上します。
また、機械結合係数が向上することにより、広帯域が実現します。
送信感度d33:d33 = k33 x √(ε33T×s33E)
受信感度g33:g33 = d33/ε33T
コンポジット化により
-
送信感度d33はほぼ一定
-
受信感度g33はεr低下により上昇
送受信で使用する場合の
感度が向上

メリット 03
ノイズとなる不要振動の抑制
圧電セラミックス間に樹脂が入る事により、横方向の振動を抑制し、ノイズを抑えることができます。
※ 形状:2×0.3×0.2(mm)

長さ・幅・厚み方向の振動が発生し
重なり合うことによりノイズが生じる


ほぼ厚み方向の振動のみが発生

メリット 04
機械的にフレキシブル
樹脂との複合化により、柔軟性を持たすことができ、曲げ加工が実現可能となります。
